山奥で10日間?ヴィパッサナー瞑想のすすめ

昨今、GoogleやAmazonといった巨大企業の超やり手のビジネスマンたちが、マインドフルネス瞑想の効果を謳っているが、その中でも最も効果が高いとされる、ヴィパッサナー瞑想をご存知だろうか。山奥に10日間こもり、1日10時間瞑想を続けるというヴィパッサナー瞑想とはどういうものか。効果や方法について説明していく。


山奥の10日間で生まれ変わる!マインドフルネスの一種、ヴィパッサナー瞑想の効果

ヴィパッサナー瞑想は、自己を客観視するマインドフルネスの一種だという説明はしたが、具体的にどういうものなのか。ヴィパッサナー (Vipassana) はあらゆる事象をゆがみなく観察するという意味で、2500年以上前にかの有名なゴータマ・ブッダによって考案され、多くの人々によって継承されてきた技である。現代においては、1969年インドでこの瞑想を広めた、S.N. ゴエンカという人物が代表的な指導者として知られている。
宗教と関係ありそうだが、思想的なものは全くない。ヴィパッサナー瞑想とは山奥に10日間こもり、1日10時間瞑想するというもので、修行に近い方法だ。期間中はスマートフォンやノートパソコンはもちろん、本や筆記用具まで持つことが許されず、ひたすら自己を観察する時間にあてる。

では、ヴィパッサナー瞑想にはとのような効果があるのか。この瞑想では、10日間じっくり自己の内面を観察するので、これまで生きてきた固定観念からくる自己に対しての認識を修正し、今まで気づけなかったことを認知することができるようになる。もっと噛み砕いて説明すると、心身のバランスが取れてストレスや余分な思考がなくなり、今までとは違うものの見方ができるようになる。ビジネスで大きく成功する人間になくてはならない能力が手に入るのだ。

ヴィパッサナー瞑想を取り入れた後なら、普段と同じ景色を見ても、今までとは違う考え方が浮かぶだろう。仕事に戻っても、いつもと違う角度から意見をいうことができるようになるかもしれない。集中力や、アイデアの発案能力が飛躍的に向上するのだ。加えて、心の雑多な感情がスッキリと整理されるので、業務に関してもストレスも格段に少なくなる。もとより、自己を観察するマインドフルネスという方法は、うつ病などの改善にも役立つとされてきたが、ヴィパッサナー瞑想にもその効果が大いに期待できる。

ビジネスのみならず、社会における成功者たちは、みな独自の視点を持っている。独自の視点や考え方があるからこそ、新しいビジネスモデルや革命的なアイデアを己の中から発見し、形にすることができる。ヴィパッサナー瞑想はどんな人に対しても大きな効果をもたらしてくれる手法であるが、とりわけビジネスマンとの親和性は高いといえるだろう。

ヴィパッサナー瞑想のやり方

ヴィパッサナー瞑想のやり方は非常にシンプルで、座禅を組んで瞑想し、自分の中に芽生えた些細な感情や、脚の痛みなど身体的なきつさを、とことん客観的に観察し続けるというものだ。これを1日10時間(連続して10時間ではなく、食事や休憩を適宜挟む)、10日間毎日続けるというものである。食事は1日2回で、スマートフォンや本も読めない。他人を殺めない、盗みを働かないといった人間としての基本的な倫理についても、破らないと約束が必要である他、嘘をつかない、酒や麻薬に手を出さない、性行為を行わない、ということも守る必要がある。

このような約束ごとを守りながら瞑想に入り、次の段階では、鼻で行う呼吸について徹底的に意識を向け、自己観察の客観性をどんどん高めていく。次第に心は本来の平穏を取り戻すようになり、純粋さを持つことができるようになる。忘れていた日常や当たり前にある物質への感謝の気持ちを持つことができるのだ。ひととおりヴィパッサナー瞑想のやり方や流れについて説明した。ヴィパッサナー瞑想はシンプルだが、制約がいくつかあり、時間も多く必要なので、実行するには少々ハードルが高いとわかっただろう。一人では困難なので、通常はヴィパッサナー瞑想の専用施設へ行き、適切な指導のもと行うことで正しい効果を発揮するのだ。

10日間のヴィパッサナー合宿の1日のスケジュールについて大まかに説明しておこう。まず、起床は朝の4時。それから2時間瞑想し、6時くらいに朝食をとる。また休憩し、8時から11時まで4時間瞑想。昼食をとって再度休憩し、13時から17時までまた瞑想。17時から1時間のティータイム休憩後、18時から19時まで1時間瞑想。19時から21時までは指導者による座談会があり、21時半消灯となる。かなりハードだと考えるかもしれないが、だいたい4日目から身体が慣れ、より深い瞑想状態に入れるようになり、安らかに過ごすことができる。

一人で山奥へ行って1日10時間、10日瞑想しろといわれても難しいだろう。危険だし、結局間違った方法で瞑想を行ってしまうことにもつながる。ではどうすればよいのか。日本には、京都と千葉の2ヶ所にヴィパッサナー瞑想専用のセンターがあるので、そこへ連絡し、10日間の瞑想コースに申し込めばいいのだ。

日本のみならず、世界でインターネットによる情報過多の状態が続いている。ネットニュースや、SNSを1日に何回もチェックする人も少なくないだろう。その結果どういうことが起きるか?人間の脳はリフレッシュする暇もなく、他人の些細な出来事で埋め尽くされてしまう。インプットのほとんどが誰かの人生についての情報になってしまうのだ。もちろん、それはそれで楽しいかもしれないが、果たしてビジネスに於いてメリットはあるのか。世の中の大まかな流れをつかむことはできるかもしれないが、自分以外が発見した情報に支配されている生活では、知らず知らずのうちに、オリジナリティやクリエイティブネスはどんどん失われていくだろう。ビジネスマンとして成功するための一番大切な能力が犠牲になっているのである。

なら瞑想すればいいのかと考え、独学で始めようとマインドフルネス瞑想の本を買って、勉強するのもオススメできない。自己の内面を観察するという大雑把な解説で簡易的な理解をしてしまい、1日2日スマホやネットから離れてみたところで、元の生活に戻せば、脳もすぐに過剰で外的なインプットを欲する状態に戻ってしまう。その点、ヴィパッサナー瞑想なら、10日間集中して脳の状態を切り替えることができるので、元の生活に戻ったとしても、情報の取捨選択ができるようになり、自分の視点で答えを出すことができる状態が長い期間続くのだ。

もちろんヴィパッサナー瞑想は心のコントロールなので、10日間の合宿をすれば、その後の人生ずっと効果が保証されるというものではない。しかし、独りよがりで効果がない方法を断続的に続けるくらいなら、ヴィパッサナー瞑想に参加し、客観的観察意識や、固定観念や雑念を振り払う確実なヒントを得た方が絶対によいだろう。

ヴィパッサナー瞑想に挑戦してみよう

ヴィパッサナー瞑想とは何か、起源や効果、実際の合宿などについて解説してきたが、この瞑想法についてどう感じただろうか?少しでも興味があれば、ヴィパッサナー瞑想の合宿への参加を考えてみよう。
専用のセンターへ連絡すれば詳細を教えてもらうことができる。有給を2週間一気に使うことになるが、人生を変えることができると考えれば、賢明な選択だろう。
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