海外で働くという選択肢

海外で働くということを夢見たことはないだろうか。近年、日本人の海外に住み働く人の数は年々増加しているのだ。海外で働く方法やメリットデメリットとはどのようなものなのか。


誰しも一度は海外で働くことを想像したことがあるのではないだろうか。外国語を堪能に使いこなし、商談をするかっこいいビジネスマンは憧れるものだ。
しかし、今の日本において海外で働くということは遠いことではなくなっている。外務省の調査によると実際に日本の海外に住んでいる日本人の数は2017年時点で135万人にものぼる。
しかし、多くの人たちにとって海外で働くということは未だに障壁の高いものであろう。そこで、海外で働く選択肢について方法やメリット・デメリットについて紹介したい。

海外に住む日本人・日系企業の実態

平成30年の外務省による「海外在留邦人数調査統計」によると、平成29年10月1日時点で、在留邦人の総数は135万1970人で前年度より1.0%増となり、統計を開始した昭和43年以降最多の人数となった。
在留邦人とは外務省の定義によると、海外に在留している日本国民だ。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000368753.pdf
日系企業の数も年々増加しており、2017年で過去最多になったそうだ。

グローバル化が進み、飛行機の国際線の移動コストの低下のおかげで日本国外に移動する人や企業の数は年々増加していくのは当然とも言える。
でも実際にどのようにすれば海外で働くことは出来るのだろうか。

海外で働くための8つの方法

今や外国で働く方法は多種多様である。それはあなたがなぜ海外で働きたいのかという目的にもよるだろう。現段階では、海外で働く選択肢には以下の9つがあると考えられる。

1.日本で民間就職し、海外支社で働く

日本で就職し海外に駐在する方法。商社マンや大手のメーカーの大企業をイメージしてもらえると理解しやすい。親の反対などで高校や大学卒業後の就職先として海外を選ぶことが出来なかった人にとっては良い選択肢であると言えるだろう。
また、この手法で海外駐在した場合、日本の雇用条件で雇われることが可能なのことに加えて、海外駐在手当がもらえる。ただ外資系企業出ない限り、現地にいっても日本人の同僚が多くあなたのイメージするような“海外で働いている”感覚は得られないかもしれない。

2.現地の日系・外資系民間企業に就職

こんな人におすすめ

日本の雇用条件で海外で勤務したい
日本の企業ではなく、そのまま海外の企業に就職するという手段である。この方法で就職活動をする場合、日本の民間企業で働く場合と比べて英語の語学スキルが求められる事が多い。働く国によって就職活動のシステムも変わるため、海外に行く前に事前にリサーチすることが求められる。

こんな人におすすめ

語学力に自信があって活かしたい人
海外の大学に進学(予定)でそのまま就職したい人

3.海外のNPO/NGOに就職

日本と比べると海外では非営利活動法人(NPO)・非政府組織(NGO)への就職はメジャーな選択肢としてある。民間企業や政府組織と比べた際の給与は低くなってしまう場合が多い。しかし、社会貢献意欲のある人にとってはやりがいのある仕事であり、海外で生活をしながら活動したいと思っている人にとってはおすすめ。語学力に加えて、ある程度の専門性が求められるのも事実で、大学院で学んだことがそのNPOやNGOでの活動内容に活かせるとより良いだろう。

こんな人におすすめ

学んできた専門分野がある人
海外のNPOやNGOで働きたい人

4.フリーランスとして働く

近年増加しているのがこのフリーランスという働き方。エンジニアやデザイナーといったクリエイター、webのライターといったノマドワーカーが増加しているのも社会的な背景としてある。他にも、海外での日本語教師や料理人、美容師、カメラマン、通訳などものフリーランスワーカーも増加している。仕事や案件を受けることができるかのかどうかは非常に重要であり、専門性も求められるが自由な働き方出来るのもフリーランスの魅力の一つである。

こんな人におすすめ

場所を選ばずに働くことのできる専門性を持っている

5.海外で公務員として働く

国際公務員として働くという方法である。国際連盟(United Nation)などで働くことをイメージしやすいだろう。高い専門性が求められ、国連の場合だとインターンとして働くだけでも高い倍率だと言われている。例えば、国連で働くためには高い専門性と実務(フィールド)経験が求められ、この専門性が高い方が評価される。語学力に加えて、修士号も必要だと言われており、イメージ通り高いハードルだ。

こんな人におすすめ

修士号の関連分野で2年以上の実務経験(もしくは予定)がある
国連などの国際公務員として働きたい

6.留学中にアルバイトして働く

海外でアルバイトをする方法には後に述べるワーキングホリデーでバイトをする方法と留学しながらバイトをする方法とがある。留学中にアルバイトで働くには、ビザの関係上国によって働けるか働けないかをチェックする必要がある。そして、基本的に留学で渡航している場合、学業が本業となるビザを取得しているため就労時間の上限が設定されていることが多い。留学先の友人に紹介してもらうことが多いため、現地でのコネクションが重要になりそう。

こんな人におすすめ

留学先でアルバイトの経験を得たい人
語学力を活かしたお金の稼ぎ方をしたい人

7.海外インターンとして働く

海外インターンシップという選択肢をご存知だろうか、実際に海外で就労体験をするというものだ。近年、主流になりつつある。有給でのインターンも多く、企業によってはインターンからのみ採用をするという企業もある。あくまで就労体験であるため、インターンとしてのビザを手に入れて、就労体験をしてみるというのも一つの手段だ。

こんな人におすすめ

海外での就労体験に興味がある人
働きたい企業がインターンを募集している人
ワーキング・ホリデーとは2国間の協定に基づいて、青年(18歳〜25歳、26歳、29歳または30歳)が異なった文化(相手国)の中で休暇を楽しみながら、その間の滞在資金を補うために一定の就労をすることを認める査証及び出入国管理上の特別な制度である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%AA%E3%83%87%E3%83%BC
この制度を利用して海外で働いてみるのも手段の一つ。しかし、ワーホリで渡航した場合、就労や就学を第一目的で渡航することは難しい。あくまで滞在資金を補うための労働という位置づけのため、観光することや遊ぶことがメインの目的の人にとっては良い選択肢だと言えるだろう。渡航できる国もオーストラリアやカナダ、ニュージーランドなど限られて入るものの魅力的な国も多い。

こんな人におすすめ

観光をメインにして滞在費用を賄うために現地で働いてみたい

海外で働くことの3つのメリット

1.異国の文化に触れながら生活することが出来る

言わずもがな海外働くことの利点は異文化で仕事ができることが。勿論、これはストレスを感じるポイントにもなりうるが異文化で働きたい、海外で働くことを夢見る人にとっては十分メリットとなりうるポイントと言えるだろう。
今までとは違う言語、食事、文化の中で生活し働くことはきっとあなたにとって刺激的な経験なはずだ。

2.新しい人間関係で挑戦できる

今まで日本で培ってきた人間関係は海外では通用しないことがほとんどだ。基本的には現地で新しい人間関係が構築されていくことになる。新しい友達、上司、同僚、部下と今までにない自分と出会えるチャンスになる。今までの環境から離れてまた1から挑戦したいと思っている人にとってはこれもメリットと言える。

3.実力主義の環境で働くことが出来る

海外のほとんどの国では日本のように終身雇用や年功序列制度は存在しない。実力主義で地位を勝ち取っていくような環境がほとんどだ。海外の企業で働く場合はその同僚と協力しながら、自分自身で信頼と実績を自分自身で勝ち取る必要があるのだ。ましてや日本からフリーランスなどで滞在している場合、自分自身で仕事の案件を手に入れる必要がある。実力主義の環境で働きたいというアグレッシブな精神を持った人にはこの点もメリットだ。語学スキルや海外ならではのビジネスマナーも身につける必要があり、全てをあなたの頑張りによってどうにかしなければならない。

海外で働くことの3つのデメリット

1.家族や日本の友人と離れて過ごす必要がある

海外で働くということは日本で育ったあなたにとっては家族や日本の友人と離れて暮らす必要があるということを意味する。今まであなたを近くで守ってくれていて家族や苦しい時に見守ってくれていた友人をとすぐに会うことは出来なくなるのだ。孤独や不安と戦わなければならないのも海外で働くことのデメリットと言えるだろう。

2.環境に適応することに苦労する可能性がある

海外で生活することは想像以上にストレスフルなもの。食べ物や天候、言語の違いはあなたが思っている以上の違和感を与えるかもしれない。しかし、海外で働き続けるということはそれらの文化的な違いを理解し、適応することが求められるのだ。難しいことだと理解した上で渡航した人たちでさえも苦労する現地での生活への順応はデメリットになる。また、海外では日本よりも安全な場所は少ないと言われており、治安や人種差別などに対しても向き合う必要がある。

3.語学スキルを身につける必要がある

日本以外の国で働くと大抵の場合、日本語以外の言語を話すことが求められる。日系企業で働く場合であれば同僚が日本人であるため、日本語だけでも十分かもしれないがそれ以外であれば基本的には母国語以外の言語のスキルが働く上では求められるのだ。新たに語学を習得する必要があるのも海外で働く上ではデメリットにはなりうる。勿論、これがメリットにもなりうることは忘れてはいけない。

いかがだろうか

インターネットが発達し、交通手段が安価になった現代では昔と比べて、海外で働くための多くの手段が存在する。

海外で働くということは刺激的であなたの人生を豊かにしてくれる経験になるだろう。異文化に触れ、新しい自分を発見していく経験は何にも代えがたいものだ。しかし、どれだけ発達した世の中で働くといっても自分の母国以外で働くという事実は変わらず、異なる生活習慣や文化、言語と上手く付き合っていく必要があることは理解しておく必要があるだろう。

もしあなたがこの記事を読んで海外で働きたいと思ったならば、まず動いてみよう。その一歩を踏み出せたなら、あなたが海外で働く未来はすぐそこだろう。

あなたが思っている以上に海の向こうで働く現実は遠くないのだ。

8.ワーキング・ホリデーで働く

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